ashita text

野蛮に現在のテキストを積み重ね

メールにおける、見た目、言葉、軽やかさ。

 メールを送った相手はどれだけ丁寧に読んでくれているだろうか。送信直後にいつも気になってしまう。どのタイミングで読んでいるのかはわからない。わかりやすく書いたつもりでも返信が「了解!!」のみなら本当に了解されているのか不安になる。LINEならともかく、がっつりな文章メインのメールでは単語量や言葉の並び、改行のタイミングといった旋律的な見た目も影響してくる。

 だから話し言葉より書き言葉なのだ。話し言葉のようにするのも変化球として有効だけど、読んでもらうにはとにかく見た目だ。

 いまならビジネス書や自己啓発書のように「ここ大事なところ! せめてここだけでも見て!」と太字&マーカーでメール内容を強調していくのも効果的なのかもしれない。自分も最近よく使う手だ。しかし全部が大事なところ過ぎて、メールを太字で書いているだけ(“てにをは”だけが太字じゃない)という結果になることも起こるから大変だ。伝えたいことをまとめずに書くとそうなる。だからといって簡潔に強い言葉を太字にして書けば苛立っているように見え角が立つだけ。

見た目は厄介だ。

 まずは定型句をコピペや単語登録して綴るのではなく、キーボードで文字を一文字づつ打って、毎回微妙に文章が揺れている感じを出したいのだ。さらには「お疲れ様です」や「何卒よろしくお願いいたします」といった肩こりのような言葉をやめるところから始めたい。バキバキに凝ってしまっているので。むしろ凝っているのが当たり前になっている日常メールをほぐしていく。これが意外に難しい。ひらがなで「おつかれさまです」にするだけでも違うのかな。

 見た目も内容も詩や短歌みたいに軽やかに(たまに意外性も含めて)、文字が波紋のように広がっていくように書くのが私の理想なのだ。言葉をリズムを貪欲に摂取していきたい。

 

現代短歌ロード