ashita text

野蛮に現在のテキストを積み重ね

ネクスト伝統(猛暑とうなぎ)

 暑くてじっとしていられない。暑くて温度のことしか考えられない。汗だくだくで屋外と屋内の差が激しい。熱気がヨロヨロ踊ってる。暑さをiPhoneで切り取ってインスタに熱量をアップしたいけど、保存されるのは数値のみ。数値に暑さが憑依して2018年の夏をずっと伝えてくれますように。

 記録は抜かれるために存在するのであれば、今年の最高気温もいつかは更新される。今年より来年、来年より5年後、5年後よりも10年後、……ゴールは人間が自然発火するレベルになってしまう。もうこれ以上暑くならないように、雨乞いではなくて「温度下げ願い」的な儀式というのはあるのだろうか。無ければどこかの地方の伝統行事としてつくってほしい。暑さを感じさせないバーチャル空間を装ってみる、寒さを思い出させるような神楽や踊りをするなどぜひとも最高気温記録全国2位〜5位あたりの場所で奇習として開発してもらえれば。町おこしにもなる。科学的ではなく文化的な、土用の丑の日うなぎのネクストステップとしてなにかそういうのがあればいいのでは。伝統をつくるのは難しいけれども、いま続いているものは誰かが昔に始めたものだと思えば、いま始めたものが定着する可能性だってある。

 もしかして歴史から脱落した「一発屋」伝統行事があるとしたら、ぜひ知りたい。